うつ病は、精神的・身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自信がなくなり、負のスパイラルの悪循環が生じます。
眠れない、食欲が無い、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった状態が続いている場合は、うつ病かもしれません。
こうした状態になったら、一人で悩まず、とにかく早めにご相談ください。早めに治療を始めるほど回復も早く、十分な休息と的確な治療を受けることが重要です。
睡眠障害によって日中の眠気やだるさ、集中力の低下などが引き起こされると、日々の生活に支障をきたし、極端な場合にはさまざまな事故につながることもあります。
また、睡眠障害が長期間持続すると、生活習慣病やうつ病などにかかりやすくなると言われています。そのため、睡眠障害は放置せず、適切に対処することが重要です。
不眠の背景にはストレス環境やこころの疾患が根ざしている可能性があり、睡眠薬の服用だけが不眠症の治療ではありません。原因となる疾患や要因を適切に診断し、原因に応じた治療を行なってまいります。
人が生きていく上で、ほどほどの不安を感じることは、自分を守るためにとても大切です。しかし、その不安がいき過ぎて日常生活に支障をきたすようになった状態を「不安障害」と呼びます。いき過ぎた不安により、動悸やめまい、発汗、息苦しさなどの発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態を「パニック障害」と言います。再発することへの強い不安(予期不安)によって発作が起こる場合もあります。
不安障害の治療では、抗うつ薬や抗不安薬による薬物療法とあわせて、少しずつ苦手なことに挑戦し、慣れていく心理療法が行われます。
社会生活を営む上で最も必要なことは、「適応」です。病気の症状が苦痛であるだけでなく、病気によって社会との間に様々な不適応を生じてしまうことが生活の困難となります。うつ病にはうつ病の、不眠症には不眠症の、不安障害やパニック障害にもそれぞれの、様々な不適応反応が起こり得ます。病気を治すということは、社会との適応の折り合いをつけるということでもあるのです。
認知症に関して言えば、もの忘れしても大丈夫と言えるくらい、安心して生活できるように家族関係の調整や介護サービスの支援体制を整えることが治療の大きな柱です。当院では、適応障害の治療として生活環境調整を重視しています。